『サイン~法医学者 柚木貴志の事件~』とは
韓国ドラマを原作とした作品です。原作の韓国ドラマは15話だった予定があまりにも人気で第20話まで拡大されたほど。展開が早く、主人公が様々な権威と戦いながら真実に近づいていく姿はハラハラドキドキです。
また、無愛想な主人公が後輩にあたる女性(日本版でいうところの飯豊まりえさん)や元婚約者(松雪泰子さん)との微妙な関係の変化も見どころの一つです。
脚本:羽原大介、香坂隆史
演出:七髙剛、山本大輔
主題歌:東方神起 『ミラーズ』
脚本家や演出家は共に『ドクターX~外科医 大門未知子~』テレビ朝日の人気ドラマを手掛けている方々なので期待大です!
以下『サイン~法医学者 柚木貴志の事件~』第最終回(第9話)話のネタバレあらすじ&感想をまとめています。ネタバレしますので、ドラマ『サイン~法医学者 柚木貴志の事件~』第最終回(第9話)話をまだご覧になっていない方はご注意ください。
目次
『サイン~法医学者 柚木貴志の事件~』最終回(第9話)までのおさらい
柚木(大森南朋)は、人気アイドル・北見の死体解剖を担当するが、直前で警視庁からの命令で日本法医学研究所のメンバーではない伊達(仲村トオル)に執刀医が変更される。
不審に思った柚木は死体を持ち出し、勝手に解剖する。柚木は他殺だと確信するが、青酸カリによる毒殺であると伊達が発表する。そして北見の彼女でマネージャーでもある宮島が北見を毒殺したと自首し、彼女の毒殺として事件は片づけられた。
この一件で、日本法医学研究所の院長であり、柚木の恩師でもある兵藤は責任を取って辞任。
そんな中、慶徳病院の院長は25年前の自身の医療ミスを隠すために関係者を次々を毒殺する。その医療ミスを知った柚木の実父も25年前に同じ理由で院長に毒殺されていた。そしてその殺人は、柚木が実父の死後以降に父親代わりとなっていた兵藤が自殺との検死結果を出して、事件として捜査がなされていなかったのだった。兵藤は厚生労働大臣からそのような検死結果を出すよう圧力をかけられていた。全ては法医研設立のためだった。
それをずっと悔いていた兵藤は柚木にその事実を話すことを避けるため自殺した。今回起きた一連の毒殺事件を証明すれば、過去の兵藤のやってきたことも明るみに出てしまうと考えた柚木。兵藤を慕う柚木は彼の意思を汲み、なんと今回起きた毒殺の事件も心不全による自然死であるとして、事実をねつ造する証言をする!
この一件後、法医研を去りひきこもっていた柚木だが、中園を育てるため法医研へ戻って来る。
そして、兵藤が院長を辞任するきっかけとなった人気アイドル・北見の殺人事件の犯人として服役していた宮島から和泉の元へ「自分が犯人ではない」と電話があった。しかし、宮島はその翌々日に刑務所内で殺害されてしまう。
しかし、宮島の親友から、青酸カリを持っていったのは北見の所属事務所社長・会田だったと証言を得る。
すると今度は会田が死亡する。解剖結果は他殺となったが、伊達が死亡推定時刻をこじつけで葵がアリバイのある時刻で発表したため葵は釈放される。
柚木は葵の自宅に行き、北見殺害に使用されたぬいぐるみを発見する。
その頃、北見の遺体からぬいぐるみの繊維片を証拠として保管していた中園は伊達に、中園の妹の命と引き換えに証拠品を引き渡すように迫られ…。
『サイン~法医学者 柚木貴志の事件~』最終回(第9話)ネタバレ
警視庁捜査一課の管理官・和泉千聖(松雪泰子)とその部下・高橋紀理人(高杉真宙)は、次期総裁候補の娘・島崎楓(森川葵)が国民的人気歌手・北見永士(横山涼)を窒息死させるために使ったと思われる“青いぬいぐるみ”を押収。照合検査のために、新人解剖医・中園景(飯豊まりえ)は北見の喉から見つかった“青い繊維”を持って、解剖医・柚木貴志(大森南朋)らが待つ「日本法医学研究院」へと急行する。だが、景は“青い繊維”を柚木らに手渡すと、なぜか検査が始まるのを待たず部屋の外へ。その様子が気になった柚木は、彼女の後を追うが…。
そんな中、あろうことか想定外の検査結果が出る。ぬいぐるみの繊維と“青い繊維”は「一致しなかった」というのだ! 真実を証明する最後の手立てを失い、苛立ちを隠せない柚木…。ちょうどその頃、「日本法医学研究院」の院長・伊達明義(仲村トオル)のもとには、意外な人物がやって来て…!?
真犯人である楓を追い詰めようとするたび、権力によって次々と閉ざされていく真実追及への扉。それでも諦められず、事件当日の監視カメラ映像を再度チェックした柚木は“ある異変”を見抜き、そこに“真実”が隠されていると確信する。ところが、権力側は一枚も二枚も上手で…!?
やがて柚木は何が何でも“真実”を明らかにするため、ある方法で楓の罪を暴く“真実のサイン”を手に入れようと思いつく。それは想像を絶する結末を伴う、まさに“決死の勝負”だった――。
引用元:『サイン~法医学者 柚木貴志の事件~』公式HP
柚木が中園の元へ駆け寄ると、中園は伊達に妹の命と引き換えに証拠品である青い繊維を引き渡すよう交渉してきた事実を伝える。そして、心の迷いはあったものの、柚木が示してくれた法学者の道を進むと決めた以上、証拠品を渡すことなんてできなかった、とも。
しかし、青い繊維は柚木が葵の部屋から押収してきたぬいぐるみの繊維と一致しなかった。実は法医研の分析メンバーの1人を言いくるめ、偽物とすり替えるように伊達は指示していたのだ。言いくるめられた助手の男はこれが法医研の未来につながると信じて隠ぺいを行ってしまったのだった。
伊達は証拠品を始末したことを佐々岡に電話で報告する。そして、伊達は法医研の独立させる法案を通す確約を求めるが佐々岡は煮え切らない返事。佐々岡は伊達との電話を切ったあと、島崎に「有権者の関心が薄い法案は後回しに、ですよね?」と投げかけ、島崎も言わずもがなだと返事をする。
柚木は伊達の元へ行き、次期総裁候補である島崎が娘の犯罪を隠すため、法医研に圧力をかけてきたんだろ!と投げかける。伊達はなんのことかわからないな、としらばっくれながらも、解剖率が低い日本の法医学に革命を起こすのだ!とすごむ。予算も人員も削られていく中で革命を起こし、独立を勝ち取るのだ!と。
それに対して柚木は、警察組織から独立を勝ち取ったとしてもこれからは島崎のような政治家に服従し続けることになるのだ、と主張した。そして死んだ人間の声を聞くことが解剖医にできる唯一の仕事だと諭すように言った。
研究室に柚木が戻ると、ある人物が訪ねて来ているという。ロビーに向かうと、そこには島崎葵がいた。葵は北見にプレゼントされた宝物だから押収したぬいぐるみを返して欲しいと不気味なくらいの笑顔をでやってきた。北見や宮島も、会田も全て殺したのはあなたですよね?と柚木が言うと私は世界一と言われる日本の警察を信じています、と不敵な笑いを浮かべて去って行った。
しかし諦めたくない柚木は再度、北見殺害時のライブ会場の防犯カメラを見直す。すると一部の映像が削除されていることに気がついた。
カメラ映像を押収した鑑識官は病気のため、事件直後に退職し入院生活を送っていた。柚木と高橋がその鑑識官から削除前のマスタデータを入手しようとするが、警察内部にいる佐々岡の手先がそれに気づき、佐々岡に連絡。佐々岡が柚木より一足先にデータを入手し処分してしまった。
柚木は和泉と飲みに行く。そして、2人が付き合っていた頃の時代を思い出したあと、柚木は「負けず嫌いで何があってもあきらめない、それがお前のいいところだ」と普段は絶対に柚木が口に出さなそうなことを言って去っていく。
翌日は中園に対して、「お前の欠点はいちいちムキになるところだ。ムキになり過ぎて視野がせまくなる。ミクロの視点をマクロの視点を使い分けられるようにならなければ、兵藤先生のような優秀な解剖医にはなれないぞ」とアドバイスと思われるような言葉を残していった。
数日後、柚木は葵に電話をかけ、葵が犯人だという証拠になる防犯カメラのデータを入手したからぜひ見せたいと言って葵を自分の家までおびき出す。そして、中園にも電話をし、1時間後に自分の家に来るよう指示する。
そして、柚木の家を訪れた葵は余裕の表情。柚木が自首をしなければ、この映像をネットに流すぞ、と脅すが葵は動じない。それどころか、北見がどうやって死んだのか知りたいか、と顔を近づけてくる。
その1時間後、中園がやってくる。家のソファには柚木が座っている。中園が呼びかけながら肩を揺らしてやっと、柚木が亡くなっているのに気がついた。
佐々岡が法医研にやってきて、伊達に柚木を解剖して病死なり自殺なりで片付けろと言いに来た。
その頃、中園は柚木の遺体を勝手に解剖室に運び出し、解剖を始めた。佐々岡は激昂し、伊達に止めるように指示するが、さすがの伊達もこれ以上、権力に屈することは我慢できなくなっていた。
中園が解剖を行い、柚木は北見と同様の鼻孔閉塞による窒息死であると判断し、他殺であると皆の前で示した。
一方、和泉の方も柚木の部屋から隠しカメラを発見する。カメラ映像を見ると、葵が北見殺害を認め、柚木に毒を盛って弱らせた上で窒息死させた一部始終が残されていた。
皆が涙ながらにその映像を見ていると、伊達があることに気がつく。実は葵が毒を盛っているところを柚木は鏡越しに見て確認していた。自分の身をもって葵が殺人犯である証拠をサインとして残したのだ。
逮捕状を携え、葵を逮捕しに向かう和泉と高橋。葵は「私を何者だと思っているの?」とこの期に及んでも笑顔でいる。すると、和泉は「ただの殺人者よ」と言い放って、葵の手に手錠をかけた。
伊達は柚木の墓を訪れ、必ず日本の法医学を変えてみせると誓う。
中園は空から柚木に見守られながら、解剖医としての新たな一歩を踏み出し始めていた。
『サイン~法医学者 柚木貴志の事件~』最終回(第9話)感想
これでもかというくらい、葵が犯人だと示す手がかりを見つけてはつぶされ、という歯がゆさの連続でしたね。
それにしても主人公が亡くなってストーリーが進んでいくというのは、今までに無いパターンですよね。しかし、本当に殺されなくても他に方法があったのではないのかな…という気が消せないのは私だけでしょうか…。
ともあれ、柚木の解剖医としてのプライドと情熱に目頭があつくなりました。
兵藤が自殺するきっかけとなった、慶徳病院院長の事件の時に柚木は嘘の解剖結果を報告しました。その一件もあったので、より真実を暴くことへの執念が高まったのだと思いました。それが無ければ、さすがに自分の命を犠牲にしてまで犯人を追い込むなんて不自然ですもんね。そう考えると、オムニバス形式でそれぞれの事件は解決しますが、この最終回までに全ての事件は必要だったのだな、という気もしました。韓国ドラマは全20話だったのをとても上手くまとめられていて、さすがですよね。
法医学ものは人気がありますし、柚木&中園コンビで続編があればいいな、と思っていましたが、主人公がいなくなってしまってはさすがに無いか…残念。
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