ドラマ『それぞれの断崖』は2019年8月よりフジテレビ系土曜23時40~枠で放送されることが決まりました。
原作は小杉健治『それぞれの断崖』という同名小説です。
本当は原作を先に読んでから、と思ったのですが間に合わなかった~理由は書籍が売り切れてしまっていたからです。今読んでます…(笑)。明日には原作アップしますね。ドラマの原作を読むようになり、いろいろな作家の文体を見てきましたが、小杉さんの文体はかなり読みやすいです。それに、ストーリーに無駄がありません。機微な感情の動きもディテールも描かれており、原作も楽しみです。
『それぞれの断崖』原作→明日アップ予定
『それぞれの断崖』イントロ
家庭内暴力をふるう不登校の中学生が殺害された。加害者は、13歳の同級生。
殺人を犯しても少年法で守られていて罪には問われない。悲劇の夜、「被害者の父」は酒に酔い、怪しげな店で遊んでいたことが発覚。妻や娘たちに恨まれ、警察からも疑いをかけられる。加えて、加害者少年への怒りを爆発させたことで、人でなし呼ばわりされ、世間からの容赦ないバッシングを受ける。
職を失い、家族の絆が綻び、やり場のない怒りを抱えた「被害者の父」。生きる支えは、息子の無念を晴らすこと。矛先を向けたのが「加害者の母」で、儚げな美しさをもつ、シングルマザーだ。法律に守られた少年の行方や、殺人を犯す少年を育てた母親の動向を知るために、怒りと復讐心から己を偽り近づいてゆく。だが運命は、皮肉だった。
主役となる「被害者の父」、志方恭一郎を演じるのは遠藤憲一。この春、月9「ラジエーションハウス ~放射線科の診断レポート~」で見せた、ダメ父も心温かで男気のある役柄から一転、「被害者の父」と「加害者の母」が惹かれあう、という複雑な役どころを、円熟味を増した遠藤がどう演じるのかが注目だ。
社会派ミステリーの名手×遠藤憲一
原作は、社会派ミステリーの名手・小杉健治が描く「それぞれの断崖」。重厚な人間ドラマを描く第一人者と、人間の心の機微を演じたら右に出る者のいない遠藤憲一が、去年2月のオトナの土ドラ「家族の旅路」に続き、がっぷりと組み合う。
『それぞれの断崖』相関図
『それぞれの断崖』4話あらすじ
「…八巻満の母親に会ってきた」
志方(遠藤憲一)の言葉に、雪子(田中美佐子)は驚いた。はつみ(田中美里)が勤める店を訪ねたこと、結局素性を告げずに帰ったことを話す志方に、雪子は「もうあの人たちに関わってほしくない」と告げる。何をしたって恭介は戻ってこない。このまま憎しみに縛られていては、いつまでたっても家族は前に進めない。娘たちのためにも、もう加害者家族には関わらないで――妻の言葉に押し黙るしかない志方であった。
一方のはつみは、気持ちを奮い立たせて満(清水大登)と懸命に向き合おうとしていた。しかし、満は「もう来ないで下さい」とまるで他人を見るような目で冷たく告げるのみ。はつみは、崩れ落ちそうになる胸の内を、笑顔で取り繕うことしかできなかった。ようやく職場に復帰した志方だったが、待っていたのはまるで懲罰人事のような理不尽な異動で、資料整理をする閑職に追いやられてしまう。世間やマスコミからは叩かれ、裁判の傍聴すら許されず、会社でも邪魔者扱い…虚しさがつのる。
せめて、加害者の母親からの謝罪が無ければ家族の再スタートなどあり得ない。はつみの店に足を向ける志方。今日こそはすべてぶちまけてやる…しかし、志方との再会を喜ぶはつみの笑顔に決意が揺らぐ。店が終わった後、はつみを居酒屋に誘い出した志方だったが、迷いは晴れない。帰り道、はつみの目に突然溢れる涙…。加害者の母親が抱える苦悩を目の当たりにする志方。生きる苦しみは同じなのかもしれない――はっと我に返り、すがりつくはつみを振り切って立ち去る。ある日、志方は葵電機の丹野(梨本謙次郎)からの挨拶状を受け取る。かつて志方とまとめた契約が不成立になってしまった影響は大きく、下田に転勤させられたというのだ。責任を感じる志方は、丹野を訪ねてみようと思い立つ。
丹野は、明るく志方を迎えてくれた。大いに飲んで語り明かした翌日、丹野の誘いで二人は断崖を訪れる。「この断崖の前では、人間なんてちっぽけなものだと思い知らされます」丹野の顔にふと差す陰りに、言葉をなくす志方だった。志方の元に、丹野が断崖から身を投げたという知らせが届いたのは、数日後のことだった――。
はつみと志方のやりきれない感情
志方はやりきれない気持ちのまま、また八巻の母のおみせに会いにった。しかし、はつみは出社前に酒を飲み既に酔っぱらっていた。
はつみは満の面会で、満に本を持っていったが満は「あんたは勝手だよ」というなり本をちぎった。荒ぶる満に今日の面会は終了と告げる教官。そのことがこたえていたのだ。
ママは見かねて帰りなさいという。それを送っていく志方。志方は、満の手紙をはつみのカバンの中に見つけてしまう。
はつみはぐっすり眠っている。満の手紙を読み終わると、志方は帰ろうとする。「帰らないで」というはつみは、一人にしないでといった。一人はもう嫌というと志方に抱き着いた。志方ははつみのなかに苦悩を見るが「迷惑だ」といって、帰っていく。
丹野の死
丹野は、投身自殺したという話を聞く。断崖に立ち自然を目の前に人間はちっぽけなもんだといっていたことを思い出す志方。志方は志方の仕事の裏切りが左遷に結び付き、結果丹野の命を奪ったと考えていたが、専務はそんな丹野のことを負け犬と呼んだ。志方は、それをひどいといったが専務は情に流されるなと言って、出て行けと命令した。
志方は丹野が飛び降りたといわれる断崖に花を手向けに行った。
はつみ3度目の面会
はつみが満との面会でようやく会話ができるようになったが、満から「いつもと違う」といわれる。俺なんて捨てて生きていけ、と満が言うとなんでそんなこというのと、はつみは返した。
俺なんか生きていても意味がない。母さんにとって俺は何?もっと俺のこと見てくれよ。とうつむいたまま、声をひねり出した。
はつみは「ずっと見てるわよ。満のことばっかり考えている」というと、満は「俺のことなんて考えたこともないくせに。そばにいてほしい時に、母さんはいなかった。」といって、涙を流した。
「俺はただ、母さんに一緒にいてほしいだけなんだ」と心の声をひねり出した満。はつみは満にごめんというと、満を抱きしめた。
その夜、はつみはお店を無断欠勤していた。志方は、はつみの家を訪ね、中に入っていった。
「何しにいらしたの」というはつみに、具合でも悪いのか?と声をかける志方。はつみの様子がおかしいと感じた志方は、どうしたんだと聞くと、はつみは息子のことを話はじめた。そして、「私は息子と罪を償って生きていくつもりです。」というと、志方は少年院でどうしているかを訪ねた。
「更生しようとがんばっています」というはつみに「更生できなかったら?」と聞く志方。
はつみは「更生しなかったら、満を殺して私も死にます。わかったなら帰って」といって泣いた。その言葉を聞いて、志方ははつみを抱き寄せた。
「君を一人にはしない」というと、「忘れたい。何もかも忘れたい。」というはつみ。二人はお互いにキスをして服を脱がし合った。
『それぞれの断崖』4話感想
本当に苦しいのは、殺した側の母親だというのがとても描かれた1話でしたね。志方が同情するのもよくわかりますが、息子のことを忘れて、体を重ねることなんてできますかね…?
私だったらできないなって思いますが、志方のストレスもマックスで、家庭に持ち帰れない悩みばかりです。
家庭では、恭介のことを忘れ明るく生きていこうとする志方家の面々。消化不良の父親は、仕事もうまくいかない。そして心の友ともいえる丹野部長まで死に追いやってしまいました。
それは、家庭に持ち帰れない。志方のやり場のない苦しみを分かち合えるのは、はつみしかいなかったのかもしれない…。
『それぞれの断崖』5話あらすじ
恭介(渡邉蒼)の潔白が証明されたことで、長女・真弓(仁村紗和)の結婚話が復活した。だが、祝い事をする気持ちにはなれない志方(遠藤憲一)は素直に喜べない。しかし、久しぶりに家族が集まり娘たちに笑顔が戻った志方家。真紀(永瀬莉子)を連れて家を出ていた雪子(田中美佐子)もこれを機に戻ってくるという。
「あなた、勝手に出て行ってごめんなさい」
家族に心配かけまいとしていたあなたの優しさを誤解してしまった、と謝る雪子。はつみ(田中美里)を抱いたその手で妻に触れることすらできず、ただ曖昧に頷くことしかできない志方だった。一方はつみは、弁護士の若菜(内田滋)から呼び出され、少年院で満が自傷騒ぎを起こしたことを告げられる。「最近、満君の事おろそかになっていませんか?」男に気を取られている母親の姿に満(清水大登)が動揺しているのではないか…若菜の言葉にショックを受けるはつみ。クラブのママ(魏涼子)からも「息子を更生させる気がないなら店を辞めてもらうしかない」と告げられ、返す言葉がない。
そんな折、はつみは風邪で熱を出してしまう。はつみのアパートで甲斐甲斐しく看病する志方。しかし、はつみの部屋に入っていくところを次女の真紀に目撃されてしまう。翌朝、はつみの洗濯物を干そうと窓を開けると、そこにはアパートを見上げている雪子の姿があった。立ちすくむ志方の隣に寄り添うはつみの姿を目撃し、踵を返す雪子。後を追う志方だったが、走り去る雪子の背中に強い拒絶を感じ足が止まってしまう。「今の、奥さんでしょ?早く帰った方がいいわ」と言うはつみを残し悄然と自宅に戻る志方。そこには、リビングにポツンと座る雪子がいた――。
「あの女誰なの…?」「あの人は…」
彼女が八巻はつみであること、今も自分が志方だと知らないままだということ、そして…彼女を好きになってしまったこと。すべてを語る志方の言葉に打ちのめされる雪子。「出て行って…出て行ってください」すべてが崩壊した瞬間だった。
そしてまた――はつみは志方の正体を知ることになる。丹野と名前を偽っていた志方を断崖に呼び出し、問い正した。
「あなたは、一体誰なの?」
「俺は志方恭一郎…君の息子が殺した志方恭介の父親だ」
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