目次
横関大原作『ルパンの娘』1分で理解!
この記事は1分ほどで読めるようにまとめました。ネタバレしますのでご注意ください
泥棒一家の娘・三雲華と警察一家の長男・桜庭和馬は素性を隠して交際していた。
ある日、事件が起こった。華の祖父・巌が顔を潰された遺体として発見される。しかし、警察はその遺体を、立嶋という男として処理しようとしていた。それは華の兄でハッカーの渉が警視庁データベースを書き換えていたからだ。
泥棒一家の三雲家は警察のテリトリーに入ることはできない。華は独自の調査で犯人を捜していたが、奇遇にも、桜庭和馬もその事件を担当していた。和馬は、その捜査の中で巌が華の祖父であることを知る。そして、とある強盗事件から、L一家(ルパン一家)の存在を知ることになる。そして、華の母悦子が泥棒である決定的な証拠をつかんでしまった。
警察一家の桜庭家にも秘密があった。和馬の祖父和一は、巌と大学時代の親友だった。そして、和一が巌の死体の顔をつぶしたことが分かったのだ。その原因は、和一の妻の伸枝が50年前に受けた暴行事件にある。巌は、伸枝の暴行犯を見つけるために、就職をせず犯人を捜し続けたというのだ。
和馬は悩んだ。
しかし、泥棒一家と、警察一家の恋は許されないとして、和馬と華は別れることになった。華は三雲家が泥棒一家だということに和馬が気づいたこと、和馬と別れたことを両親へ伝えた。華の父は激怒し、家族を守るために一家離散の決断を下した。
1年がたつ頃、和馬は別の女性と結婚しようとしていた。離散したはずの三雲家が、華の兄渉の呼びかけで終結する。「和馬のことが好きな華を救いたい」そういう話だったが、華の両親はいつの間にか結婚式で新郎を盗む計画を立てる。
結婚式当日、華の家族は和馬を拉致していた。しかし、その途中、和馬に一本の電話が入り、巌殺しの犯人が誰かということが分かった。
和馬はその犯人が結婚式場に来ていることを告げ、三雲一家に犯人逮捕のための協力を仰ぐ。犯人は、和馬の同僚の巻で、和馬の結婚相手のいとこだった。和馬は推理し、巻の自供を引き出す。そして、それを結婚式場のモニターを通じて実況中継していたのだ。
巻の祖父の英輔が、過去和馬の祖母の伸枝に暴行をしていたが、その解決に巻を頼った。巻は当初金で解決しようとしていたが、更なるカネと謝罪を要求してきたため石で殴って殺してしまったというのだ。
桜庭一家は、結婚式をめちゃくちゃにした和馬を一家の恥として、(和馬を応援したいきもちもあり)勘当することにした。そして、和馬は華と暮らすことになった。
その後、巌が生きていることがわかった。そして巌は和一と協力していたこと。背格好が似ている立嶋が指示に従わず、巻の孫と接触し殺されてしまったこと。立嶋と入れ替わって巌を死人に仕立て上げ、DNA鑑定などすべてすり抜けていたこと、和馬と華が出会うように仕向けたことを白状した。すべては巌と和一のストーリー通りだった。しかし、最後、華はおじいちゃん二人をもってしても想定できなかったことがあるといい、妊娠を発表し、家族全員が喜んだ。
もっと詳しく〈1万字〉あらすじ詳細
三雲華 | 泥棒一家の娘。 | 桜庭和馬 | 警察一家の長男。捜査一課。華の恋人。 |
三雲巌 | 華の祖父。伝説のスリ師。 | 桜庭和一 | 和馬の祖父。捜査一課長。 |
三雲マツ | 華の祖母。鍵開け | 桜庭伸枝 | 和馬の祖母。警察犬訓練士 |
三雲尊 | 華の父。美術専門の泥棒 | 桜庭典和 | 和馬の父。警備課。 |
三雲悦子 | 華の母。貴金属専門の泥棒 | 桜庭美佐子 | 和馬の母。鑑識課非常勤。 |
三雲渉 | 華の兄。情報泥棒(ハッカー) | 桜庭香 | 和馬の妹。交通課。 |
ドン | 引退した警察犬 |
第一章:刑事と結婚する方法
和馬と華の進展①秘密のある交際
華は泥棒一家、和馬は警察一家。それぞれ素性を隠しながら交際していた。華に限っては、自分が住んでいるところまで偽っていた。
しかし、和馬は華との結婚を考えており、突然実家へ華を誘う。そこで、桜庭一家が警察官だということが分かり落ち込む。無意識のうちに和馬の祖父である和一の腕時計を盗ってしまっていた。
殺人事件の発生
荒川の河川敷で遺体が発見された。立嶋雅夫、職業不定の75歳だ。しかし、そのニュースをみて、渉は「これじいちゃんだ」という。2か月前、巌に頼まれて警視庁のデータベースに侵入し、立嶋の指紋と写真をじいちゃんのものに書き換えたことが発覚する。
尊は顔を確認しに出かけるが、その顔はつぶされていた。しかし結婚指輪からそれが三雲巌だということが分かる。
華は巌の葬式ができないことを嘆いた。しかし、警察の捜査に首を突っ込むということは警察のテリトリーに入るということで、泥棒一家としてはできないという。
和馬の捜査①宿泊施設に手掛かりなし
立嶋が事件の前に宿泊していた宿をあたっていたがそこに私物はなかった。和馬は、立嶋が本当に立嶋かどうかを刑事の勘から疑っていた。
華の独自調査①スリの近藤との出会い
和馬の祖父の時計を返しに行くと、伸枝とドンが散歩に行くところだった。その流れで散歩と買い物に付き合わされる華はそのまま晩御飯まで作ることになった。そこで初めて香と出会う。カレーを食べながら、祖父のことを思い出し、涙が出た。そして、その帰りに、華は錦糸町に向かう。亀戸と両国の総武線で何往復もしているうちに、スリに出会う。
華はそのスリから財布を奪い、近藤というスリがこの道30年だと聞きだす。そして「三雲巌」を知っているかと聞くと、錦糸町でみかけたという。錦糸町でおり、居酒屋に入る。そこへ和馬の祖父、和一がやってきた。スリの近藤は、ここで巌を見つけた時にも隣に和一がいた。
スリの近藤が、図書館にやってきて、「二人とも昔からの常連であること、知り合いには見えないが、必ず月1回隣の席に必ず座る」ということが分かった。
第二章 刑事は泥棒がお好き
和馬の捜査②ホームレス支援NPO法人への調査
和馬は立嶋の過去を洗いはじめ、過去努めていた新聞配達の店に立嶋の写真を見せるがわからるものはいなかった。しかし、元経理に物覚えがいいものがいたことを思い出し電話をすると、「2年前池袋でホームレス」をしているのを見たという。
そして、池袋でホームレスを支援するNPOを訪ねると、支援者の名簿に立嶋の名前があった。そして、出張中の中藤に立嶋の写真を送付すると「立嶋ではない」との返答があった。
中藤は1日早く帰ってきて、和馬に連絡をよこした。そして、警視庁データベースに登録されている写真を改めて確認すると「立嶋ではない」ときっぱりといった。荒川河川敷で立嶋が死んだ話をすると、中藤は4か月前、立嶋が池袋からいなくなったという。若いホームレスから連絡があり、体調を崩した立嶋が冷たくなっていると連絡がきた。しかし、中藤が駆け付けると、段ボールと帽子を残して立嶋は消えていたという。
和馬と華の進展②婚約指輪選び~桜庭家訪問
和馬は華を連れて青山骨董通りの老舗貴金属店「ブライマリー」へやってきた。その目的が婚約指輪だときいて華はおどろく。和馬が指輪を見せてほしいというと、店の人間はクローバーをモチーフにした新作を出してきた。
そこでばったり華の母親に会ってしまい、金曜日に両親の顔合わせを行うことになってしまった。
華の独自調査②図書館の履歴から生まれる謎
図書館で何気にサクラバカズマを検索するとヒットしない。サクラバと検索すると、祖父の和一の名前がヒットした。返しそびれた時計をかえそうと、桜庭家によったが、不在だった。しばらくドンと遊んでいると、香が帰ってきてジムへと駆り出される。そこで香がかつて好きだった人に出会う。
そのあとの飲み会でおせっかいを焼き、香の好きな男性へ勝手にメールを送ってしまうが、今度飲みに行こうといい返事が届いていた。香に祖父和一のことを聞くと、明成大のOBであることが分かる。
貴金属店の強盗事件の発生
開店直後の貴金属店を強盗が襲った。容疑者は4人。被害は数億円。
和馬の捜査③立嶋のDNA鑑定
中藤からの電話で、昔の立嶋の写真が見つかったといい取りに行く和馬。そして、その写真をもと勤務していた新聞配達店の元経理に確認すると、「これが立嶋だ」と答えた。和馬は、中藤が帽子があるといったのを思い出し、DNA鑑定に回す。そして、被害者と立嶋が別人間だということが証明された。
その後、捜査一課は捜査を切り上げるように命が出た。しかし、和馬は事件を追い続けたい気持ちが大きく、荒川という所轄の刑事に事件のことを教えてくれというと、荒川の4キロ下流で遺体が発見され、血痕の付いた石がみつかったという。その石が立嶋の血液だったというのだ。
和馬は荒川に被害者は立嶋じゃないこと、DNAの結果も出ているとつたえ、今後も情報交換することにした。
和馬と華の進展③両家会食
夜の会食は成功した。お互いの両親がお互いに気に入ったのだ。そして、なんと結婚の日取りまで決めてしまう。
悦子の指に、クローバーの指輪が光るのに、和馬は気づいた。それは、ブライマリーで、和馬が見せてもらった指輪だった。
和馬の捜査④荒川からの新情報
タクシーで帰る際に、荒川から和馬に電話がかかってきた。和馬を呼び出した理由は、2キロ離れた倉庫の防犯カメラから1台のタクシーが現場方向に向かっているのがわかり、タクシーの運転手山本に、話を聞き、被害者の人相とも一致した。何か知ってそうな様子だったので、脅して聞くと、被害者が伝説のスリ師であることが分かった。ただ、名前も素性もわからないので本庁なら情報があると思ったという。
和馬と華の進展④華の嘘と和馬の悩み
土曜日の朝、仕事の前の華を捕まえようと月島の家に行くと、月島の家は廃墟だった。近所の人に話を聞くと、5年前に引っ越してきて、1年前にまた引っ越していったという。住んでいたのは三雲一家だった。
和馬の勘で、立嶋の写真を見せると、「それは巌」に間違えがないという。
華は家族と、住むところを隠し、祖父が殺され赤の他人として葬り去れようとしているのにそれも黙っていた。裏切られたと思った。
和馬はショックを受けたが、華に話を聞きに図書館へ行くがなかなか図書館へは入れない。そこで一人の男が出入りしたが、そのあと華を呼び出し、核心を突く。巌が祖父で、2度は死ねない。これ以上嘘をつくのはやめてほしいと。しかし華は仕事中だからと言って戻ってしまう。
第三章 招かれざる泥棒
そして、華はもう終わりだと思った。
図書館の帰りに、香がお金を返しにやってきて、今朝、家族会議で二人の結婚が満場一致で認められたと報告される。しかし、華は結婚できないと香に告げると、香は「応援する」という。
華が家に帰ると、両親は結婚準備を進めていた。華は「結婚はしない」と宣言した。両親はマリッジブルーだと思ったが、華は部屋へ引きこもりない続けた。
和馬の捜査⑤貴金属店の強盗事件の犯人確保
不審な車が発覚し、ヤン・シュウメイという中国人留学生の持ち物だったことが分かる。そして、新小岩でヤンを確保した。ヤンの話から強盗は4名。しかし、その後、2人組に横取りされたと供述した。
一瞬、クローバーの指輪を持っていた悦子の顔が浮かぶ。
和馬の捜査⑥伝説のスリ師の正体
和馬は和一に窃盗に詳しい刑事を聞き、捜査三課の草野に会いに行った。「三雲巌を知っているか」きくと「Lを知っているか」と草野に聞かれ戸惑った。
Lはルパンから来ている家族全員盗みの専門家。巌の息子、尊は美術専門の窃盗だということと、悪い奴らからしか奪わないというおきてがあるといった。暴力団の家から盗んだもので、犯人の毛髪らしいものがあった。女性らしい長い髪だったという。
和馬の捜査⑥悦子への疑いとDNA鑑定
和馬は悦子を呼び出した。華とケンカしたことを伝え相談を仰いだが、その真の目的は証拠集めだった。悦子が刷った吸殻を証拠保存袋に回収した。
華の独自調査③和―と巌の関係
華が一人で弁当を手べテイルと、隣に和一がやってきた。「私を調べたんだろう。どこまで知ってる?」ときく。身構える華に起こりはしないという和一。「三雲巌と同級生」「月に一度あの居酒屋で酒を飲むこと」を知っているというと、和一は、50年以上昔に、明成大の寮で三雲巌と同室だったことを告げた。二人とも剣道部に所属していた。かわいい女がいて、巌と和一狙っていたが、巌がある日腹痛を起こして、代わりに上野へ行ってくれといった。その後、付き合うことになったのが、妻の伸枝だという。
卒業を控えた二月末にとある事件が起こり、二人は翻弄されたこと。巌は貿易会社、和一は警視庁への進路が決まっていた。卒業式の前日、巌が「先祖代々泥棒を家業とする家柄」であることを告白した。卒業式に固い握手をして別れたという。
30歳を過ぎたころ、注意力が散漫になっていたことから、財布をすられてしまい困惑していると、盗まれたはずの財布を巌がよこしてきたという。そのまま巌についていって、何も話さなかったが、二人で飲んだという。帰り際、ここによく来るのかと尋ねると、月末に1ち度来るということが分かり、毎月末あの居酒屋を訪れるようになったと答えた。
華の独自調査④和馬と華の出会いは仕組まれていた
「私と和馬さんが付き合ったのは、和一さんの本を返すためです。これは偶然?」と聞くと、巌が「わしの孫と、お前の孫が結婚したら俺らどうなっちまうんだろうな」と笑ったことを思い出し、実際二人を会わせてみようと思ったが、二人が交際するとは思わなかったという。そして、華に深々と頭を下げて謝った。華はうっかり盗ってしまった腕時計を和一に返そうとすると、それは巌が暮れたものだという。そして、巌が死んだことの悔やみを伝え、救えなかったことを謝った。
和馬の捜査⑦盗難事件に強い刑事
ヤン・シュウメイが捕まった後、何もわからず暗礁に乗り上げていた事件。ブライマリーを訪れた和馬はクローバーの指輪の購入者リストを見せてもらうことにしたが、そこには悦子の名前はなかった。そして、暴力団宅で見つかった犯人のものらしき毛髪と、悦子の吸い殻のDNAが完全一致した。
悩む和馬は、和一に相談を持ち掛ける。
三雲の名前を伏せながら、「知り合い家族が犯罪にかかわっていることを知った。家族ぐるみの犯行かもしれない。告発すると、一家は破滅するかもしれない。」というと、和馬はどうすればいいと思っているのかと和一は聞く。「悪事を見過ごすことはできない」と言いながら、華を救いたいという想いのはざまで和馬は揺れ動いていた。
和一の答えはこうだ。
たとえ肉親でも犯罪を犯したらわっぱをかけなければならない。お前の考え方は間違っていない。たとえ話を話し始めた。その意図は「逃げるすきを与える方法もある」ということだった。
和馬と華の進展⑤真剣な話し合い
図書館の帰り道の華に声をかける和馬。別れを切り出した華に、「幸せにしたかった」という和馬。そして、独り言を聞いてくれという。
「盗みをする一族の話だ。でも、一人の刑事がその正体に気づいた。確固たる証拠もつかんでしまった。悩んで、告発することに決めたんだが、一族がすぐに姿を消し、盗みから足を洗い普通に生きて生活してほしい」という。
そして、「その刑事が告発するのは今夜で、時間がない。」といった。華は和馬が心配になったが、和馬は大丈夫だという。華は和馬の気遣いがうれしかった。そして、明日和馬の家に謝りに行くという。和馬は華にも盗みの技術があるのかを聞くと、華は、和馬の財布を盗んで見せた。
華は急いで家に帰ると、和馬一家が警察一家であることを告げると、尊は激高し、悦子も別れろという。そして、死んだ巌をきっかけに私たち家族に行きついた。そして、証拠もあるというと、悦子が、吸い殻のことを思い出した。
華は父にぶたれた。家族を危険にさらしたことについてだ。そして、勘当だ!といい、華は出ていく準備をする。祖母のマツは、そんな華を心配そうに見ていた。
和馬の捜査⑧真相を明らかにする
和馬は警視庁に戻ると、事件の真相を話していた。悦子の毛髪、たばこの吸い殻のDNA一致、巌の死体。しかし、警視庁は立嶋のまま、書類送検するという。
データベースの管轄は総務だ。立嶋のデータベースを探る総務課は、アクセスポイントが不明なものがあり、不正アクセスだと説明した。どのIDでデータにアクセスしたかわかるか?と聞くと、桜庭典和のものだということが分かる。
和馬は自宅で三雲一家がL一族だという話をした。祖母伸枝は「和馬が警察をやめて、駆け落ちする手はないの?」と聞くと一家の足を引っ張れないという。「もう一つ、ホームレスは、立嶋ではなく三雲巌だった」ことと「警察内にの誰かが立嶋のまま処理を従っている」ということを話した。
死んだのが三雲巌だといったとき、祖母伸枝が息をのんだ。
「別のホームレスが殺したことになっているが、別に犯人がいると考えている」和馬はそこまで言うと、だから、「華と結婚できない理由は理解してくれたよね」といい「明日夜、華がこの家に来て謝りたいという。できれば全員そろってほしい」と付け加えた。
和馬と華の進展⑥別れと桜庭家の秘密
華が来ると、典和は「あんたは悪くないかもしれんが、すべて忘れてくれ」といった。華がお挨拶をして帰ろうとしたとき、香が現れて「寄ってたかってこの子をいじめるんじゃないよ!」と割って入ってきた。「香さんありがとう。でも、もういいんです。青山の強盗の盗みもやってしまったみたいだし」華はうっかり話してしまった。
横取りした方ですけど、と付け加えたが「家族会議をしよう!」と香りがいいだし、賛成の者は挙手!といい香はまっすぐ手を挙げた。
反対のものに、典和、美佐子、伸枝が手を挙げた。華はもう一度挨拶をして立ち上がり障子をあけると、そこに和一がいた。
「このお嬢さんを受け入れるために何か策を講じることを期待したが、考えず排除した」ことに怒り、そして墓場まで持っていこうとした「桜庭家の秘密」について語り始めた。
三雲巌が親友だったこと、大学同じで、伸枝をめぐる三角関係、総武線で再開し、それ以来月1で会っていたこと。和馬と華を出会うように計らったこと。
和馬の捜査⑨巌の殺害と50年前の事件
そして、50年前の2月の事を話し始めた。和一が盛り上がって飲んでいるとき、巌が伸枝を送るといったが、2時間たっても帰ってこない。
心配で見に行くとバス停で倒れている人がいた。それは巌だった。こめかみから流血していた。伸枝は50メートル離れた森の中にいた。顔面血だらけで泣きわめく伸枝がいた。角材で額を撃たれ、意識を失って倒れたのだ。巌は、男の腰当たりにしがみつき、あまりのしつこさから男は立ち去って行った。巌が貿易会社に就職しなかったのは、伸枝を襲った犯人を捜すためだった。
もう一度会えば、眼を見ればわかると巌は言っていたという。和一も、同じ気持ちで犯人を捜しまわったが、30年見つけられなかった。
「巌は伸枝を暴行から救ってくれた恩人だ。その孫を排除しようとしている。」この話を聞いても、典和は反対し、美佐子も反対した。
和馬も結婚できないといった。
和一は図書館で働く華をみて「泥棒家業の中、一所懸命生きている。その姿に感銘を受けた。こんないい子は他にいない」というと華は消えそうな声で「そんなことはないです」というと、典和は「所詮は泥棒の娘だ」といった。典和は、それは言いすぎだと思い、「華は悪くない。」といい、「何者かが桜庭典和のIDとパスを使い、不正アクセスをした」ことを伝え、桜庭典和または、それに近しい人間がデータベース改ざんに関与し、三雲巌とも接点があるそして、その日のことを振り返ると、アリバイがないのは祖父の和一だけだという。
和一は話をつづけた。
7月に巌がついに犯人を見つけたが、その正体を教えてはくれなかった。和一が関与すれば現職警察官の家族に迷惑がかかるからだ。また、万が一の場合、巌は家族にも迷惑が掛からないように谷人に成りすまして死ぬつもりだった。だから、巌に典和のIDとパスを教えた。
ある夜、巌が今夜だとメールを送ってきた。巌を問いただし、場所を聞いた。小松川に向かうと巌はもう虫の息だった。「顔を…」そう巌がいうので、息を引き取った後、大きな意思で顔を何度も殴って判別できなくした。
和一は「和馬、私を告発したいか?お前の好きにするといい」そう和馬に言い、華には誤った。「これで桜庭家には何の隠し事もない。伸枝の敵も打てず、巌も殺されてしまった。」和一は巌のポケットに入っていたハンカチを形見として華に渡す。そこには、Mの刺繍が施されていた。
華は、挨拶をして桜庭家を後にしたが、巌を殺した犯人が生きていることに怒りを覚えていた。巌を簡単に始末できるのは武術にたけたものなのか?
ルパン一族一家離散
華は勘当されたことを思い出したが、タワーマンションに戻った。しかし、そこはすでに、もぬけの殻だった。逃げ足の速さに驚いていると、そこへ尊から電話がかかってきた。
尊は一家離散の判断を下し、偽の免許証と数万円を渡した。祖母は白金台の老人ホームに入ることになっていた。
第四章 泥棒より愛をこめて
一年後の和馬の結婚相手が決まる
和馬と華が分かれて1年がたった。和馬は橋本えみりという女性との結婚を控えていた。
和馬とエミリは結婚式に向けた買い物をしていた。そこで、和馬は一枚のハンカチが売られていることに気づく。巌の形見と言っていたものと同じものだった。
和馬の捜査⑩ハンカチの謎
販売員に聞くと、ハンカチは春からの販売となっていた。巌が死んだのは一年以上前だ。巌のハンカチじゃない。和馬は何かに気づき、荒川に調べてほしいことがあると電話した。
ルパン一族一家再集結
華は巌ができりしていた居酒屋で働いていた。そこへ突然渉がやってきた。ケータイのGPSから華の居場所を特定したという。
祖母マツ、母悦子、父尊の全員に会い、明日10時に集合をかけた。
集合した場所は、渉のオフィスだった。ハッキングでためた貯金は5億だといった。今日呼び出した理由を渉が口にした。「和馬の結婚式で、華が盗む。それをみんなで手伝うんだ」
盗むのは新郎だという。渉は、全員泥棒なのに華だけは違う。だから、幸せにならなければならないという。動揺する華。尊も悦子も、面白そうだといってすっかり乗り気で、マツまで賛成してしまった。
ルパンの娘が盗むもの
和馬の結婚式
結婚式当日、和馬はエミリを拾い、有楽町のホテルまでリムジンでいく予定だった。しかし運転手が車体をこすり、和馬も心配そうにリムジンを降り、運転を替わりましょうか?といったが、いや、大丈夫ですと答える運転手の顔は蒼白だ。
リムジンに改めて乗り込むと、そこに悦子がいた。そして、和馬は眠らされてしまう。
華は指示されたようにホテルの1Fにいた。マツは清掃員の格好をしていた。スタッフオンリーと書かれた扉をヘアピンで開けて、華は従業員の服装に着替えた。
和馬が目覚めると、手足を拘束されていることに気づいた。そこには悦子と尊がいた。そして、そこで和馬がまだ華を好きだということが見破られてしまう。
「海外に資産がある。すべて捨てて空港へ行き、華と出国するんだ。まずはハワイあたりに。どうだ?」と尊は和馬に尋ねた。葛藤する和馬に、1本の電話が入る。
和馬の捜査⑪巌殺しの犯人が判明と三雲家の協力
その電話で巌殺しの犯人が分かった。しかもその犯人が招待客の中にいるという。和馬は、「和一、伸枝、巌の因縁」について尊と悦子に話し、協力を仰いだ。
尊は、華に電話をかけて作戦を伝えた。華は巌の形見のハンカチをハンドバッグから取り出し、それをマツに渡した。これが一つ目の課題だった。二つ目の課題は、出席者がほぼそろってからじゃないと無理だと判断した。華は席次表を手に入れ、目当ての人物を探す。
しかし、そこで香に見つかってしまった。華はここで働いていると嘘をつく。香は「何を企んでる?」と聞いてきたものの、楽しみが一つ増えたという。
別のテーブルから拝借をしたグラスをわざと落とし、見知らぬ男の上着ポケットの中に紙片を入れた二つ目の課題はクリアだ。
乾杯は警視総監の巻の父だった。式が始まって40分経った頃、次は典和に見つかってしまい、桜庭家のテーブルに座らされた。典和は、華を問いただす。和一は「和馬の顔が何か隠し事をしているようだった。この式は無事に終わらんだろう」といった。
なぜか典和以外の桜庭家はみな華を歓迎していた。伸枝は華を見た時に巌の孫だということが一目でわかったといい、恩人の孫と和馬が交際していることを素敵だと思ったといった。
和馬の捜査⑫事件の推理
新郎新婦がお色直しから帰ってこない。巨大スクリーンに和馬が写った。そこへ巻が横から入ってきた。
一年前の事件の事、犯人は巻だと和馬が言う。親戚になるんだから隠し事はなしだ。そして、ハンカチを見せ「見覚えがあるか?」と聞く。
事件の夜、遠い所に住んでいる巻が、和馬より早く着いたことへの疑問と、故障中だったはずのトイレに何しに入ったのかを知りたいといった。
発見された遺体の顔がつぶされていた。1人目が殺し、2人目が顔をつぶした。このハンカチは2人目が被害者のポケットから持ち去ったのだ。三雲巌のMだと思ったからだ。しかし、このハンカチは犯人のものではない。犯人に襲われたときに、被害者が加害者のポケットから抜き取ったのだ。あの日、事件現場に出入りしたMというイニシャルの持ち主糸アリバイを調べたが、アリバイがなかったのは巻さんだけだった。
和馬は推理を続ける。
巻は犯行後、ハンカチがないことに気づいた。焦った巻は現場に引き返したが。すでに通報されていたので、和馬が来るのを待った。
被害者を殺害した後、トイレで返り血を浴びてないか?髪が乱れていないか?を見に行ったが、トイレを使用していなかったから故障していたことを知らなかった。そして、そのことを思い出し、ハンカチを置き忘れていないか確認するためにトイレに入った。
巻は、そこまで聞くと「だとしたら動機は何か?」を和馬に尋ねた。
和馬は「手を下したのは巻だが、それを命じた人物が祖父の巻英輔だ」と指摘した。ばかばかしいと巻は言った。和馬は50年以上前の婦女暴行事件の話をした。
和馬は巻を告発をするつもりじゃないという。「このままだと荒川という刑事が真実に気づいてしまうので、今のうちに言いくるめたい。そして、巻に恩を売り、巻の父のバックアップが欲しい」そう和馬は言った。
真犯人の自供
巻はそんなことかといい、自供を始めた。立場が逆転してしまったキャリアの弟にむしゃくしゃしている中、祖父から頼られたという。祖父は「若いころに手を出してしまった女がいて、女の仲間に付きまとわれて困っている」といった。巻英輔の孫だといって、立嶋に接近して、何度か話をしたが、頑固な老人は謝罪を求めてきた。
カネで解決しようとしたまきは50万を差し出すと、受け取ったが、次は100万と謝罪が必要だといった。老人は、表ざたになると優秀な弟が困るだろうといった。その一言で頭に血が上り、その場を立ち去るふりをして襲い掛かった。そして、老人の後頭部を何度も殴った。
迷宮入りすると思っていたが、発見された遺体は顔がつぶされ、被害者の写真を見て愕然とした。
石は、下流に住むホームレスの小屋に隠した。
巻の自供が終わると、和馬は「自首してください」といった。しかし、巻は自首しないという。ビデオが回っているというと、巻はナイフを取り出しそこへ黒ずくめの男が現れる。尊だ。二人は格闘したが、巻は逃げていった。
そのあと、悦子と思われる人間が現れ、和馬の鼻に白い布を充てると和馬は動かなくなった。
「新郎はもらった。Lの娘」と。
結婚式会場には捜査3課の人間が、警察犬とともに現れた。伸枝は警察犬をなでると香水を少し付けた。これで、犯人を追うのはほぼ不可能だという。
和馬と華の進展⑦和馬は勘当され、華にプロポーズ
そのあと、ドンの手柄で巻は捕まった。和馬は犯人を暴いたことをほめられたが、桜庭家の評判に泥をぬったことで勘当された。
勘当という名の、独立だった。和馬は華と暮らせということらしい。和馬は華の姿を探す。和一がなぜか持っていた手錠を和馬は受け取った。和馬はロビーに出たところで「華」と呼んだ。クロロホルムでまだ体がふらふらしていて、その場で膝をついてしまった。
そこへ駆け寄ったのは華だった。
和馬は華にプロポーズをした。無理だという華に手錠をかける。しかし、華にぶつかる老人がいた。「まさか…」華はそれが巌ではないかと思い、手錠を3秒で外す。
タクシーに乗り込む尊と悦子、渉。その次のタクシーにマツが乗るらしい。マツが後部座席に乗り込み、ドアマンがドアを閉めようとしたとき、その老人が滑り込むようにマツの隣に乗り込んだ。
最後の謎
タワーマンションに挨拶に来る和馬。悦子に案内されてリビングに入る。ソファーに尊とマツが座っていた。十畳の和室には、巌と和一がいた。
巌は生きていた。
和馬と華が付き合い始めて間もないころ、和一がどうにかあの二人を結婚させられないかと突然言った。すべての秘密、お互いの家族、伸枝の額の傷に隠された両家の因縁すべてを知ってお互いの意思で結婚しないと意味がないという話になった。
そんな時、伸枝を襲った人物を発見した。うかつに近づくのは危険だった、相手が元警察官であることは既に分かったからだ。そこで、立嶋を使い、巻英輔に接近した。
しかし、立嶋は勝手に巻の孫と接触し、殺されてしまった。
立嶋が殺されたことを何かに利用できないかと思案した結果、自分が死んだことにできないかという妙案を思いついた。電車で巻のポケットからハンカチを盗み、すぐに現場に戻った。和馬が事件の担当になることは、和一の部下の情報から分かっていた。後は成り行きを見届けるだけだった。
巌が一通り説明すると和馬は疑問が二つあるといった。
一つ目は、警視庁のデータベースの書き換えについて書き換えたのは写真だけですね?」というと、巌は違うと答えた。立嶋のデータはすべて一度巌のものに書き換えたが、予定が狂った。指紋だけのデータを元に戻してもらった。それは和馬だけが疑問を持つようにだといった。書き換えたのは、和一だった。
二つ目は、池袋のNPOで入手した立嶋のものと思われる毛髪について、毛髪をDNAに回した結果、DNAは不一致だったことについて。
巌は、小松川署に潜入して、立嶋の毛髪を盗み出し、代わりに巌の毛髪を置いてきたという。
唯一の誤算は、桜庭家が華を拒絶したことだ。しかし、妹想いの渉を利用して行動をおこさせたという。
祖父からするとお前らはまだまだだという巌と和一は、精進しろといったが。それに華が、それでも目論見通りに行ってないことがあるといい、おなかに手を当てた。
子どもができたのだ。家族は喜び、和馬は生まれてくる子はどう育つのか心配になったが、桜庭家も三雲家もどちらも最高だと気づき、不安を打ち消した。
ルパンの娘感想!
終わり方…!と思いましたが、おじいちゃんたちがすべて仕組んだことなんですね。芋づる式にどんどん謎が説かれていくお手本のようなミステリーでしたが、その謎ときが最後のおじいちゃんへのヒアリングというのが少しもったいなかったです。
でも、恋愛要素をくわえながら、キャラクターもしっかりしたこの小説は文体も読みやすく良書。ドラマではドロボースーツを着たセクシーな華が見れるようですが、華のキャラはつつましさがあればセクシーでもよいと思います!瀬戸康史の和馬は想定していなかったけれど、楽しみですね。
ルパンの娘原作最大の謎?
それから、このミステリーは1つミスがありましたね。ハンカチが犯人を見つけ出す最後のきっかけになりました。
ハンカチは、巌が死んだときには販売前だった。だから、あれは巌が持てるはずのものではない。だから、巌が犯人から盗んだものに違いない。
でも、犯人も巌を殺した時点で持っていたわけだから、そのロジックは破綻したままイニシャルMの謎につながっていきましたね。
実際には、巌の身代わりの立嶋が殺され、巌が犯人巻のハンカチをすりそれを立嶋のポケットに入れる。和一はそれとも知らずそれを抜き取り、華に巌の形見だといって渡す。
時系列が崩れてしまっています。
勝手にキャスティング
私だったら、だれをキャスティングするかな~。実際にはテレビ局とタレント事務所の兼ね合いでキャスティングされたりするので、自由にキャスティングができるとなるとなんだか楽しい!ということで、かってにキャスティングしちゃいます。
考えるとかなり時間がかかりそうなので、cominng soon!
三雲華 | 泥棒一家の娘。 | 桜庭和馬 | 警察一家の長男。捜査一課。華の恋人。 |
三雲巌 | 華の祖父。伝説のスリ師。 | 桜庭和一 | 和馬の祖父。捜査一課長。 |
三雲マツ | 華の祖母。鍵開け | 桜庭伸枝 | 和馬の祖母。警察犬訓練士 |
三雲尊 | 華の父。美術専門の泥棒 | 桜庭典和 | 和馬の父。警備課。 |
三雲悦子 | 華の母。貴金属専門の泥棒 | 桜庭美佐子 | 和馬の母。鑑識課非常勤。 |
三雲渉 | 華の兄。情報泥棒(ハッカー) | 桜庭香 | 和馬の妹。交通課。 |
ドン | 引退した警察犬 |

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