アガサ・クリスティ作『パディントン発4時50分』の結末までのあらすじと犯人(ネタバレ)についてまとめてみました。
アガサ・クリスティ二夜連続ドラマスペシャルの第一夜に放送されるのが、天海祐希さん主演『パディントン発4時50分』です。『パディントン発4時50分』はアガサ・クリスティのミス・マープルシリーズのうちの一作品となっていて、ミス・マープル役の天海祐希さんとスーパー家政婦・ルーシー役の前田敦子さんが協力し、犯人を追い詰めていくというあらすじになっています。
以下、アガサ・クリスティ作『パディントン発4時50分』の結末までのあらすじと犯人(ネタバレ)についてまとめています。天海祐希さん主演ドラマのネタバレに繋がる可能性がありますので、ご注意ください。
目次
ドラマ『パディントン発4時50分』の登場人物
パディントン発4時50分(03/24)番宣 30秒版配信📺
出演 天海祐希,草笛光子,前田敦子,石黒賢,勝村政信,原沙知絵,鈴木浩介,桐山漣,黒谷友香,橋爪功,西田敏行https://t.co/GemSEWRqKx pic.twitter.com/uBIdeJsTjF— kooss公式 編集室(run) (@jfifdecoder) 2018年3月14日
天乃瞳子(天海祐希)
元刑事で、末期ガンの夫の介護のために辞職。夫の死後、危機管理のプロとして、民間企業の顧問へ。
原作の設定
ミス・マープル。遺体が隠されていると思われる屋敷にスーパー家政婦・ルーシー(前田敦子)を潜入させ、外から推理。
天乃雀(草笛光子)
瞳子の亡き夫の母。特急列車内で殺人事件を目撃する。
原作の設定
ミス・マープルの友人。
中村彩(前田敦子)
国立大卒業後、官庁へ就職。その後、家政婦に転職。瞳子に依頼され、遺体が隠されていると思われる富沢信介(西田敏行)邸に潜入。
原作の設定
有能な美人家政婦。
富沢信介(西田敏行)
トミー製菓会長。信介の邸宅がある敷地内に遺体が隠されていると思われる。
富沢恵子(原沙知絵)
富沢家長女。独身。信介(西田敏行)の主治医である医師・佐伯(石黒賢)に想いを寄せている。
富沢哲次(鈴木浩介)
富沢家の次男。画家。
富沢晴三(新納慎也)
富沢家の三男。
古川晋(矢柴俊博)
亡き次女の夫。
佐伯慶一(石黒賢)
信介(西田敏行)の主治医で、富沢家には往診で日常的に出入りしている。長女・恵子(原沙知絵)から好意を抱かれている。
木村麗子(黒谷友香)
富沢邸によく遊びに来る小学生・元の母親。
原作の設定
亡くなった長男の嫁で、その後別の男性と再婚。長男の家とは疎遠になっているという設定のマルティーヌに設定が酷使しています。
大山勝(嶋田久作)
富沢家の執事。
唐木警部(勝村政信)
警視庁捜査一課刑事。瞳子の元同僚。
鈴木刑事(桐山漣)
警視庁捜査一課刑事。唐木の部下。
山口参事官(橋爪功)
警視庁参事官。
原作小説で登場する四男の設定がないなど、細かい違いはあるものの、登場人物と設定はほぼ一緒です。そのため、スペシャルドラマ『パディントン発4時50分』のあらすじと犯人も、原作小説をほぼ同じものとなりそうです。
それでは、アガサ・クリスティ『パディントン発4時50分』の結末までのあらすじと犯人のネタバレ、スタートです!
アガサ・クリスティ『パディントン発4時50分』のあらすじ(ネタバレ)
※わかりやすいよう、登場人物はドラマの表記に置き換えて、記載しています
消えた遺体
主人公・天乃瞳子(天海祐希)は亡き夫の母である天乃雀(草笛光子)に、殺人現場を目撃したという信じられない告白を受けた。
それは3日前の夕方、雀が特急オリオンに乗った時のこと。雀が乗った特急オリオンに、わずかな時間並走する列車があった。その列車は寝台特急朝霧。雀が何気なく車窓から並んで走る朝霧の車内を見ていると、その車内にて女性の首を絞める男性の姿を目撃したというのだ。
慌てた雀は、すぐにその場で車掌にその旨を報告。しかし、車掌は取り合ってくれなかった。その後、新聞を見ても、そのような事件があったとのニュースもなく、寝台特急朝霧から遺体が出てくるということもなかった。しかし、雀は間違いなく男が女性の首を絞めている現場を目撃したと瞳子に言い張った。
瞳子は消えた遺体の謎を探ろうと決意し、地図と時刻表を片手に、雀が乗る特急オリオンに並走していた寝台特急朝霧に乗り込む。雀の詳しい話をもとに、瞳子が検証した結果、寝台特急朝霧内で殺人事件が起こった大体の時間と遺体を遺棄したらしいポイントが浮上してきた。それは、線路に沿って隣接するトミー製菓会長・富沢信介(西田敏行)の邸宅だった。
富沢家にどうやら遺体が隠されていると推測した瞳子は、知人の中村彩(前田敦子)に連絡。高学歴で元官僚という異色の経歴を持つ家政婦である彩。彩はその働きぶりからスーパー家政婦と呼ばれていて、好奇心も高い。瞳子が事情を話し、富沢家に潜入し、遺体を探してほしいと依頼すると、彩は引き受けた。
富沢家の複雑な内情
彩はその働きぶりを認められ、すぐに富沢家に家政婦として潜入することに成功した。広大な富沢邸に住んでいるのは、会長の富沢信介と長女・富沢恵子(原沙知絵)の2人きり。そこに日常的に出入りしているのは、執事の大山勝(嶋田久作)と信介の主治医である佐伯慶一(石黒賢)。彩は恵子と佐伯が想い合っている仲であることをすぐに察する。のちに、2人は婚約することになる。
10年前に妻を亡くした信介。その後すぐに長男が亡くなった。続けて、次女も出産の際に急死。不幸が続き、持病もあって信介はふさぎ込んでいる。
画家の次男・富沢哲次(鈴木浩介)と三男・晴三(新納慎也)、亡き次女の夫・古川晋(矢柴俊博)は健在。長男には亡くなった当時、結婚して間もない嫁<木村麗子(黒谷友香)か?>がいたが、長男の死後は家を出て行き、今は再婚していて、富沢家との付き合いはない。
また、創業者である信介の父親である先代が、財産を孫名義の信託財産というかたちで残していることを彩は知る。先代が会社を売却済みであるため、信介の手元にあるのは邸宅と土地、わずかな信託財産の利子だけであること、先代の遺言により、信介が信託財産に手をつけることはできず、また孫たちがその財産を受け取れるのは信介の死後だということがわかる。
そういった金がらみの問題もあってか、富沢家には殺伐とした空気が流れていた。親子の仲、兄弟通しの仲も極めて悪いことを、彩は知るのだった。
遺体発見
そんななか、彩は敷地内にある古い建物のなかで、寝台特急朝霧から遺棄されたと思われる遺体を見つけた。富沢家の敷地内に遺体が隠されていたことから、犯人は富沢家の内情に詳しい者であることは間違いなさそうだ。
しかし、遺体の身元確認は難航を極め、富沢家の誰もが知らないと証言した。長女・恵子が、長いこと会っていない長男の嫁から、お金の相談に富沢家を訪問することがしたためられた手紙が来たこと、その訪問予定日が遺体の死亡推定日だったことから、遺体が長男の嫁なのではないかという説が浮上するが、のちに長男の嫁は生きていることがわかり、身元確認は振り出しに戻ってしまうのだった。
第2・第3の事件
遺体の身元が分からないまま、第2の事件が起きた。それが起こったのは、富沢家の夕食時。夕食に出されたカレーを食べた家族が食後に苦しみ始め、富沢家の四男が亡くなった(ドラマの登場人物に四男の登場はないようなので、ドラマでは他の家族が犠牲となるのかもしれません)。カレーからは毒物であるヒ素が検出された。
カレーを調理したのは彩だったが、彩がカレーを調理中に、次男・哲次、三男・晴三、亡き次女の夫・古川晋らが厨房を出入りしている。富沢家の多くの人間にカレーに毒を混入させる機会があったということになる。なかでも、この日、夕食を食べずに外出していた古川に嫌疑がかかることになるが、動機が見当たらなかった。謎は解けないまま、三男・晴三も毒殺されてしまうのだった。
アガサ・クリスティ『パディントン発4時50分』の犯人(ネタバレ)
犯人発覚
彩からの報告を受け、犯人の目星がついた瞳子だったが、証拠がない。瞳子は第一の事件当時と同じ状況を再現し、犯人に自白させようと計画。富沢家の家族やその関係者に偽の招待状を送り、皆を寝台特急朝霧に乗せることに成功した。
特急内では彩が作ってきた魚のペーストのサンドウィッチが振る舞われた。すると、突然瞳子が骨が喉に刺さったといい、苦しみ始める。医師である佐伯が瞳子の喉を見ようと、喉に手をかけた瞬間を、並走する特急オリオンから雀が目撃していた。『あの男よ!私が見たのは!』同じ状況を再現したことにより、雀の記憶が強く呼び覚まされたらしい。それを知った瞳子がことば巧みに迫ると、やがて佐伯は罪を自白し始めた。
実は妻がいた佐伯。富沢家の敷地内から出てきた遺体は、佐伯の妻のものだったのだ。
犯人の動機
富沢家に出入りするうちに、長女・恵子と恋仲になってしまった佐伯は、恵子との結婚を望むようになっていた。妻に離婚を申し入れた佐伯だったが、妻は拒否。佐伯は妻を絞め殺し、富沢家の敷地を並走する特急から、妻の遺体を敷地内に捨てた。
後ほど、富沢家に行き、遺体を回収し隠した佐伯。しかしそんな佐伯の罪を、三男・晴三らは感づいた。佐伯は妻に続き、口封じのため、三男らを毒殺する。
実は毒物が盛られていたのは夕食のカレーではなく、食前酒の方だった。職業柄、毒物の知識があった佐伯には、毒が効き始めるまでに少し時間がかかり、その間に食前酒用のグラスが洗われ、証拠隠滅がはかれるという算段があった。佐伯がカレーに毒物を混入させたのは、毒殺が完了した後で、カレーから毒物が検出されたのはそのためだった。
婚約者の本性を目の当たりにし、激しいショックを隠せない長女・恵子に、瞳子は『慰めにはならないかもしれないけど、殺人の動機は愛よ』と伝えるのだった。
アガサ・クリスティ『パディントン発4時50分』のルーシー(前田敦子)の恋の行方は!?
犯人が誰なのか?という謎解きと合わせて、もうひとつ楽しみにしたいのが、家政婦・ルーシー役に該当する前田敦子さんの恋の行方。原作小説『パディトン発4時50分』では、美人で有能な家政婦に、老齢の信介含む富沢家の男性たちがこぞってアプローチをかけてきます。だからこそ、手に入れられる情報があるわけです。
原作小説の結末では、家政婦・ルーシーが最終的に誰を選んだのか?誰も選ばなかったのか?は明記されていませんが、これまでに多数映像化されている作品では、ルーシーの心を射止める男性が誰なのか?という部分まで描かれるものもあり、遊び心のある描かれ方をしています。
今回の天海祐希さん主演のスペシャルドラマ『パディトン発4時50分』で、その描写が盛り込まれるのだとしたら、ルーシー役に該当する前田敦子さんの年齢から考えて、鈴木刑事(桐山漣 )あたりがお相手となるのかな??という気はしますが、このあたりも含めて、スペシャルドラマ『パディトン発4時50分』を楽しみに観ていきたいと思います。
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